南紀 黒蔵谷~高山谷


南紀 黒蔵谷~高山谷 (くろぞうたに~たかやまたに)
和歌山県 新宮川水系大塔川
日時:2018年7月14日(土)~16(月祝)
自主山行
メンバー:ニンニン(CL/記)、ひらちゃん(SL)、ゆきむし

コースタイム:
1日目:
5:58 道の駅 瀞峡街道 熊野川 ⇒ 6:36 駐車地(突合/安川大塔川林道) 7:05 ⇒ 7:27 鮎返滝 7:50 ⇒ 9:18 出谷出合 ⇒ 11:25 5m斜滝 12:05⇒ 12:26 高山谷出合 ⇒ 14:06 10m滝 14:36⇒ 14:36 カンタロウ滝 15:32 ⇒ 15:44 第3支流 ⇒ 16:38 樋状10m 16:49 ⇒ 17:06 第4支流

2日目:
7:07 第4支流 ⇒ 7:20 石垣 ⇒ 7:47 黒蔵滝 ⇒ 8:36 奥ノ二俣 ⇒ 9:04 右岸支流 9:15 ⇒ 9:25 7m滝 9:30 ⇒ 9:31 2段30m滝 9:43 ⇒ 10:08 コル 10:14 ⇒ 10:48 野岳法師 10:56 ⇒ 11:15 下降点のコル 11:30 ⇒ 12:05 高山谷左俣 ⇒ 13:19 2段10m滝 13:32 ⇒ 13:35 20m滝 14:04 ⇒ 14:25 高山谷二俣 ⇒ 15:05 幕営地

3日目:
6:34 幕営地 ⇒ 7:28 10m滝 8:02 ⇒ 8:56 八丁涸漉 ⇒ 9:38 高山谷出合 10:12 ⇒ 10:49 仙道 ⇒ 11:33 トンネル1 ⇒ 12:27 トンネル2 ⇒ 12:48 駐車地(突合/安川大塔川林道)

数年前より温めていた計画がやっと実施できた。
3日間モンクなしの晴れで素晴らしい沢を楽しめた。

滝登り、ゴルジュ、人工登攀、懸垂下降、大高巻き、
ルートファイティング、幕営と沢に必要な技術がいろいろと
詰まっていてやり応えがあった。

黒蔵谷から野法師山へは右俣から山頂付近へ抜ける予定だったが、
奥ノ二俣から少し右俣を進んだところの右岸支流からコルへと抜ける
ルートを取ることにした。
登れる滝が2つあり、大きな高巻きもなかったため、
右俣の25m、35mの滝を巻くより行きやすいルートだったかもしれない。

林道5時間歩き回避のための高山谷は、この沢単体でも大いに楽しめるいい沢だった。
このルートは、1泊2日で黒蔵谷のみより、2泊3日で高山谷も含めて行くのがお勧め。

全体的に幕営適地が少ないので、行動時間に注意が必要。
(ヒルを恐れずに幕営するなら可能な箇所はもう少し増える)
ヒルがそれなりに生息し、3人ともヒル友の会に初加入することになった。
自分は吸血1/取付2/道に発見3だった。

他に1パーティ京都の山岳会の方が入っていて、
道の駅よりと抜きつ抜かれつ、ときおり協力し、
概ね同じようなコースタイムで進んでいた。
(3週前の石川 大日沢でも会った方たちでした)

装備については黒蔵谷だけなら30m1本でも足りたが、
高山谷は30m2本必須(50m1本だと足りるか不安になる)。

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□1日目
■道の駅 瀞峡街道 熊野川 ~ 駐車地 突合(安川大塔川林道)
 川湯温泉から渡瀬温泉、湯峰温泉に向かうトンネル手前を左折。
 県道241号静川請川線を進むとホイホイ坂林道と安川大塔川林道の分岐点に付く。
 右折し安川大塔川林道を進みちょうど黒蔵谷出合のカーブのところが駐車地。
 入渓点は下流側徒歩0分 突合の看板が目印。
 ※上流側の入渓点は徒歩3分、黒蔵谷出合の看板が目印。

■突合 ~ 鮎返滝
 看板脇の明瞭な踏み跡を下降し、3分程で入渓。
 大塔川本流をいきなり泳ぎ、すぐ左岸の黒蔵谷へと入る。
 鮎返滝までは穏やかな渓流を進む。

■鮎返滝
 鎌を泳ぎ、滝左手の斜面に上がる。
 奥は3m程壁はザックを下ろしてフリーで抜けた。
 念のため、後続はロープで確保した。

■鮎返滝~出谷出合(下ノ廊下)
 可能な限り流心突破を目指して進む。

■出谷出合~高山谷出合(中ノ廊下)
 こちらも可能な限り流心突破を目指す。
 一箇所頑張りすぎて腕がパンプしかけた。

 5mの滝は手前から右岸高巻き

 その次に現れる5m斜滝は、滝左手を登る。
 なかなかフリーでは上がりにくく、カムで剥がされないよう確保しつつ
 ハーケンにアブミを付け登った。
 ※リンクカム1(#1) ハーケン2使用

 平ちゃんが釜に浮かびながら作業し頑張って突破してくれた。
 ※この滝に着いたときにスカイフック付のアブミを落としたことに気づくorz

 高山谷出合は高山谷のほうが明るい感じのする右俣。
 黒蔵谷は最終日に出渓する仙道へのピンクテープがある左俣。

■高山谷出合~カンタロウ滝
 滝横を登ったり、滝裏を泳いで見たりしながら進む。

 カンタロウ滝手前の10m滝は少し手前を右岸より高巻く。
 10m滝に流れ込む支流に向かって懸垂下降10m。
 問題なく降りれる安定した場所。

■カンタロウ滝
 見ごたえのある高さの大滝。
 両岸ともに高巻きの記録があるが、今回は左岸巻きを選択した。

 左岸の尾根を詰め、落ち口より15m程高い辺りを滝に向かってトラバースする。
 滝右手の切り立った場所がちょうどトラバースできるよう踏み跡がある。
 そこに降りるのに懸垂7m。
 
 トラバース後に落ち口へ懸垂10m。

 ぴったり、カンタロウ滝の落ち口へと降りることができた。

 トラバースの箇所は合ってるか心配だったので、
 先行し問題がないことを確認してからロープを回収した。
 ※このトラバースを通らないと+2,30mは登り完全に上に出ることになると思われる。

■カンタロウ滝(上部)~第4支流(上ノ廊下)
 第3支流の先の滝は突破が厳しそうだったので、
 時間も押してるためそうそうに予定通り高巻きを選択。
 第3支流の滝が見えたくらいのところまで戻り、右岸ルンゼから高巻く。
 ※カンタロウ滝を右岸巻きしていたら、ルンゼを登ったところで出合う

 樋状10m手前の巨岩並ぶところに幕営適地があった。

 樋状10mは、流心の横を狭まってるとこまで進み、
 流心を跨いで右岸に移って抜ける。
 ツルツルに磨かれ滑りやすそうに見えるが、フリクションばっちり。
 ※スリングをかける用の残置ハーケンが打ってあった。

 第4支流は出合から20mの大きな滝が見える。
 滝正面の高台が幕営適地だったらしいが、現在は倒木で荒れていて幕営は困難。
 滝下に幕営することにしたが、薪も乏しく、なかなか火が付かなかった。
 結局、ガスで飯盒炊爨をすることとなった。

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□2日目
■第4支流~奥ノ二俣
 上ノ廊下の残りを少し泳ぎ、廊下帯は終了。

 黒蔵滝は特に問題なく滝左手を進める。

■奥ノ二俣~野竹法師
 奥ノ二俣を右俣にルート取り、次に右岸から支流が入ったところを支流へ進んだ。

 最初の二俣は、左俣は涸れてて登れないような大滝が見える。
 右俣の7m程の滝は水が流れていて、そこをフリーで登る。

 次に2段30m程の滝は、1段目スラブの15m程はフリーで登り、
 その後は滝左手の木へと逃げ、滝の左側を通り落ち口へ進む。

 あとはコルまで詰め上がるのみ。
 高巻きもなく、滝を登れたのでいいルートかもしれない。

 ※奥ノ二俣を真っ直ぐ尾根を上がるルートの記録もある
 ※右俣を山頂へ抜けるルートの記録もある(当初予定)

 コルから野竹法師までは稜線歩き

■野竹法師~高山谷左俣
 野竹法師山頂手間の白い看板を看板どおり、西へ進むのが正しいルート。
 (山頂からそのまま直進(北)へ進みかけた)

 稜線を下り、小山をトラバースした後のコルが下降点。
 斜面を下り、支流へ入る。
 支流から高山谷左俣へ降りる箇所は懸垂7m程。

■高山谷左俣~高山谷二俣
 黒蔵谷ではあまり見られなかったナメ床が現れる。
 一部崩壊した箇所もあったが、南紀といった感じの場所。

 2段10m滝は手前から左岸を少し登り、まとめて懸垂10mで降りる。

 降りた先には20m滝は滝右手より懸垂20mで降りる。
 滝下は釜にはなっていない。最後がすこし空中懸垂になる。
 30m2本なら十分足りる。

 廊下の先に釜が見えたら高山谷二俣に到着。

■高山谷二俣~幕営地(地形図の破線を過ぎたカーブ辺り)
 釜の有る滝をいくつか終えるとまたナメ床が始まる。

 左岸より支流が入る場所を過ぎて少ししたあたりで幕営した。

 昨日とは違い、薪も燃えやすくたくさん手に入った。

 装備解除時に左足に取り付いているジョニーを発見。
 だいぶ吸われたあとだったので、幕営地に着くまでにやられた様子。
 二人はご飯を食べる前に吸われていた。薪集めで林に入った際に取り付かれた様子。
 就寝中に取り付かれることはなかった。

 ※幕営した先のカーブにも幕営適地があった。

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□3日目
■幕営地~10m滝
 左岸から支流が入るところを超えるとナメ床が終わり、
 泳ぎや釜への飛び込みが増えてくる。

 両岸が切り立ったゴルジュに入ると10m滝まではあと少し。
 手前の3m滝は右岸より用意に降りれる。
 水が落ちている箇所は少し深いので、泡が盛り上がった箇所なら腰程度の深さ。

 その先は大きな釜を持つ10m滝。右岸から多段滝の支流も流れ込んでいる。
 左岸を登り懸垂15mで釜へと降りる。

■10m滝~高山谷出合
 釜に飛び込みつつ進み、右岸の廃屋を過ぎると特徴的な縞模様の八丁涸漉に着く。
 ※果無山脈から大塔山付近までの岩石が白く変質した帯を八丁涸鹿(はっちょうこしか)変質帯と呼ぶようです。

■高山谷出合~駐車地 突合(安川大塔川林道)
 出合のピンクテープから尾根を登っていく。
 踏み跡は分かりやすく、何箇所かトラロープが張ってある。
 (中間辺りでトラバースしているような踏み跡があるが、仙道までは尾根を登る)

 仙道は水平歩道のように高低差が少ない。
 1回目のトンネルは長いのでヘッドランプを使用。

 2回目のトンネルは短く、なくても問題なし。

 最後は上流側入渓点への渡渉が待っている。

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